リベリアのダイヤモンド採掘労働者の自立支援

ダイヤモンドは最も貴重な宝石の1つであり、世界中の人々を魅了しています。その一方で、その採掘や流通に関して多くの問題を抱えることも目を背けてはならない事実です。

内戦と紛争ダイヤモンド

かつてドゥ政権で要職を務めたチャールズ・テーラーの武装蜂起により第一次リベリア内戦が引き起こされ、1989年から1996年まで続きました。この内戦は凄惨極まるもので、民族間の対立もさらに激化し、結果15万人の命が奪われました。最終的に1997年、かつてのドゥ政権に代わってテーラーがリベリア大統領に就任したのでした。

解説:リベリアの歴史

1. 自由の国リベリア

リベリアと聞いて思いつくのは何でしょうか? かつては多くの人が紛争と答えたかもしれませんが、今では一定の平和が訪れ、現在は様々な国がその発展を支援しています。日本もそんな国の1つです。
リベリアはアフリカで2番目に成立の古い国家であり、1847年アメリカで解放された黒人らを中心に建国されました。しかし彼らがアフリカへと持ち込んだものはリバティ(自由)だけではなく、自分たちがかつて虐げられた階級制度でした。この厳しい格差に晒された複数の先住民族たちの抑圧の歴史が、後の凄惨な紛争の原因の1つにもなりました。
1980年、先住民族クラン族出身のサミュエル・ドゥのクーデターによってかつての特権階級は政権を追われます。階級制度からの解放を成し遂げたドゥ政権でしたが、出自とするクラン族だけを優遇する政治などにより、今度は他の先住民族の反感を買うこととなり1980年代のリベリアは混迷を極めます。

2. 女性が勝ち取ったリベリアの平和

テーラー政権下のリベリアでは、紛争ダイヤモンド問題に端を発した厳しい経済制裁が課せられていました。このことからテーラー政権と反テーラー派の武装勢力との衝突が頻発し、1999年から2003年まで第二次リベリア内戦が勃発しました。この内戦を終結へと導くきっかけとなったのが、女性たちによる平和運動でした。
2003年、平和運動の呼びかけに応じたリベリアの何千人という女性たちが国会前に座り込み、テーラーが和平交渉に応じるように迫ったのです。すっかり弱体化したテーラー政権は、この女性たちの命がけの活動に根負けし、最終的に和平協定に合意しました。なんと女性たちは協定が合意されるまで、各要人を集めた会議室を封鎖するなど驚異的な行動力を発揮したと言います。


こうして平和を取り戻したリベリアで2005年に行われた大統領選挙によって、アフリカ初の女性大統領エレン・ジョンソン・サーリーフが誕生しました。そしてサーリーフの圧倒的なカリスマの下、リベリアは再建に向けて動き出したのです。サーリーフと女性平和運動を率いたレイマ・ボウィは、この功績が讃えられ2011年にノーベル平和賞を受賞しました。

フェアトレードダイヤモンド

ダイヤモンドを取引した資金が武器購入などに充てられる紛争ダイヤモンド問題への対策として、キンバリー・プロセスという制度が2003年の国連決議により導入されました。これは、ダイヤモンドの流通に原産地証明書の添付を義務付けることで、その資金が紛争等に流れていないかを監視するものです。
しかし、キンバリー・プロセスはその採掘地を監視するのみで、採掘者の労働環境や貧困等のダイヤモンドを取り巻く深刻な問題に切り込んではいません。また、採掘から加工までの監視に留まり、末端購入者にとってその情報の有効性にも難があります。

そこで注目されているのが金(ゴールド)の流通で効果を発揮したフェアトレード規格です。これをダイヤモンドの流通にも適用し、キンバリー・プロセスの問題を打破しようという取り組みが進んでいます。このフェアトレード・ダイヤモンドの下では、採掘から購入者の手元に届くまでのサプライチェーンを厳格に管理され、さらにダイヤモンドにまつわる諸問題の適正化にも踏み込むものです。

採掘労働者の自立支援に向けて:DFPの取り組み

フェアトレード・ダイヤモンドは、リベリアを始めとした貧困に喘ぐダイヤモンド採掘労働者の生活を変える可能性を秘めています。 ダイヤモンド・フォー・ピースは、労働者の自立支援に重点を置いた活動「ダイヤモンド採掘者自立支援活動」を実施しています。

興味を持った方は、ぜひ次の行動を起こしてみてください。それはちょっとジュエリーショップでダイヤモンドの原産地を聞いてみたり、興味をもってネットで調べてみたり、NPOの支援をしてみたり、シンポジウムを聴講してみたり、ボランティアに参加してみたり。今日から私たちが世界のためにできることがきっとあります。

特定非営利活動法人ダイヤモンド・フォー・ピース(DFP)は、 すべてのダイヤモンドが人道・環境配慮の上、採掘・カット・製造されることが当たり前の社会を目指しています。

DFP公式サイトはこちら

 

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